大規模修繕費の高騰にどう対応する?vol.2

まず検討したいのが、大規模修繕の周期です。大規模修繕は、「12年周期」というイメージが強い方も多いかもしれません。

しかし、国土交通省が2024年6月に改訂した「長期修繕計画作成ガイドライン」では、大規模修繕工事の周期は、一般的に「12~15年程度」としています。

つまり、必ずしも12年目に大規模修繕工事を行う必要はありません。

さらに同ガイドラインでは、長期修繕計画で設定する工事の内容や時期は「おおよその目安」としています。

実際の工事内容や時期は、建物の状態や過去の修繕履歴などを調査・診断したうえで判断しましょう。

例えば、「12年目だから」と一律に修繕するのではなく、専門家に建物の状態を確認してもらい、問題がなければ時期を延ばす方法もあります。

修繕周期を適正化することは、長期的なコスト削減にもつながります。
※同ガイドラインは主に分譲マンションを対象としたものですが、ここでは修繕周期を検討する際の参考として紹介しています。

建物全体を同じタイミングで修繕する必要があるとも限りません。前述の国土交通省ガイドラインでも、修繕周期は部位ごとに細かく分けられています。

このように、建物のすべてが同じスピードで劣化するわけではありません。日射や雨風を強く受ける場所は劣化が早い一方、比較的傷みの少ない場所もあります。

例えば、「屋上は傷みが進んでいるので12年目に修繕するが、外壁は状態がよいため15年目まで延ばす」といった判断も考えられます。

すべてを一度に工事するのではなく、劣化状況を確認しながら必要な部位を見極めることがポイントです。

ただし、工事を分けすぎると足場代などが重なり、かえって割高になることもあります。まとめる工事と分ける工事を見極めることが大切です。

もう一つ考えたいのが、材料や工法です。大規模修繕では、「工事費をいくら安くできるか」に目が向きがちです。

しかし、安さだけで選ぶと、かえってトータルコストが増えることがあります。

分かりやすい例が外壁塗料です。一般的な耐用年数の目安と特徴は、次のとおりです。

・アクリル塗料 5~8年程度。価格は抑えやすいものの耐久性は低め。
・シリコン塗料 10~15年程度。コストと耐久性のバランスに優れる。
・フッ素塗料 15~20年程度。耐候性が高く、長持ちしやすい。
・無機系塗料 製品によって耐用年数は異なる。高耐候の商品が多い。

例えば、初期費用が多少高くてもフッ素塗料を採用し、次回の塗り替えまでの期間を延ばせれば、長期的には足場代や施工費を抑えられる可能性があります。

外壁を長期的に維持したい場合、「外壁カバー工法」の選択肢もあるでしょう。

これは、既存の外壁を撤去せず、その上から金属サイディングなどの新しい外壁材を重ねる工法です。

外観を大きく変えられ、材料や工法によっては断熱性の向上も期待できます。ただし、建物状況によっては採用できない場合もあります。

修繕費が高騰している今は、過去の修繕計画をそのまま続けるのではなく内容や時期を見直すことが大切です。

必要な修繕は行いつつ、修繕周期や工事範囲、材料や工法を工夫することで、長期的な負担を抑えやすくなります。

賃貸物件の大規模修繕やリフォームでお悩みのオーナー様は、ぜひ当社へご相談ください。

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