知らないと損する!2027年前後の賃貸設備の新ルール vol.2

 給湯器についても、今後は省エネ基準の強化に伴い、高効率モデルが標準となる流れです。

資源エネルギー庁は、製造事業者などに対し、2028年度に向けて、エネルギー消費性能の向上(機種区分ごとに数%程度)を求めています。

 対象となるのは、ガス給湯器やふろ給湯器、暖房機能付き給湯器などのガス温水機器です。

 こうした基準強化を背景に、今後はエコジョーズに代表される高効率給湯器へのシフトが進むと見込まれます。

 従来型に比べて初期費用は高くなる傾向もありますが、ガス使用量の削減によって、入居者満足度は高まります

 一方で、省エネ性能の向上に伴う製品価格の上昇や、従来型機種の選択肢の縮小も想定されます。

 交換時期が近い賃貸物件については、コストを抑える観点から、2026~2027年中の更新が有効な選択肢といえるでしょう。

 

消火器:PFAS(有機フッ素化合物)に関する規制が強化
消火器:PFAS(有機フッ素化合物)に関する規制が強化

 消火器についても、環境規制の高まりを背景に、PFAS(有機フッ素化合物)を含む製品からの切り替えが進んでいます。

 PFASは分解されにくく、環境中に長期間残留することから、「永遠の化学物質」とも呼ばれています。

 欧州連合(EU)では、PFASの段階的な規制強化が進められており、今後も各国で対応が広がる可能性があります。

 この国際的な規制の流れを受け、PFASを含む消火器については、メーカー各社で代替製品への移行が進みつつあります。

 製品を選定する際は業者任せにしないで、オーナー様側でも消火器の仕様や能力をチェックすると安心です。

賃貸住宅が入居者から省エネ性能で選ばれる時代へ
賃貸住宅が入居者から省エネ性能で選ばれる時代へ

 ここまで見てきたように、賃貸住宅の設備を取り巻く環境は大きく変化しています。

 加えて、入居者の部屋選びにおいても、環境性能や省エネ性能を重視する傾向が強まりつつあります。

 今後は、省エネ性能の低い物件は、不動産ポータル上で相対的に選ばれにくくなる可能性があります。

 例えば、SUUMOでは、2024年11月以降、新築に加えて既存(中古)の売買・賃貸物件でも、省エネ性能の表示枠が設けられました。

 本稿執筆時点では、これらの情報が表示されている物件はまだ限定的です。しかし、国の制度では環境性能の「見える化」が着実に進んでいます。

 例えば、2025年4月以降は、すべての新築建築物に省エネ基準への適合が義務化され、政府は2030年までに新築住宅の平均でZEH水準の達成を目標としています。

 これにより、新築物件では断熱性能などの条件で比較・検索する動きが、今後一般化していく流れが強まると予想されます。

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