反響を増やす!オーナーが知るべきポータル掲載術とは?
不動産ポータルサイトで反響を増やすための3つの数値
多くのオーナー様は物件の掲載を仲介会社に任せていると思います。
しかし、オーナー様ご自身がポータルサイトの仕組みを理解しておくことで、仲介会社との連携がスムーズになり、成約率の向上につながりやすくなります。
とくに押さえておきたいのは、不動産ポータルサイトにおける以下の3つの重要な指標です。
① 検索ヒット数
入居希望者が条件検索を行った際、検索結果に物件が表示された回数
② 閲覧数
検索結果に表示された物件のうち、実際にクリック(閲覧)された回数
③ 反響数(反響率)
物件情報を見たユーザーからのアクション(問い合わせ・内見予約など)の数や割合
この指標を総合的に改善することで、問い合わせや内見予約の増加=成約につながる可能性が高まります。
そして、これらは「検索ヒット数 → 閲覧数 → 反響数」の順に連動します。
つまり、まずは検索ヒット数を増やし、そこから閲覧数を伸ばし、最終的に反響数を得るという流れです。
逆に言えば、どこか一つでもボトルネックがあると、問い合わせや内見予約が取れず、空室が長引いてしまう可能性があります。
オーナー様がこの3つの数値の意味を理解し、仲介会社と情報を共有し、改善することで、ポータルサイトをより効果的に活用できるようになります。
成約率アップの第一歩として、ぜひ意識してみてください。
情報の精度がポータルサイトの反響率を大きく左右する
反響率を高めるためには、物件自体の魅力に加え、「情報の精度」も非常に重要です。
同じ物件を同じ不動産ポータルサイトに掲載しても、情報の質によって検索順位や反響数が大きく変わることは珍しくありません。
一般的な不動産ポータルサイトでは、以下の情報の充実度が評価スコアとして内部的に活用されることが多いです。
・キャッチコピー
・物件画像
・間取り図
・基本情報
・パノラマ画像や動画(対応しているポータルサイトのみ)
評価基準はそれぞれのポータルサイトで異なりますが、たとえばある大手ポータルサイトでは、「間取り・外観・リビング・キッチン・バスルーム」など5種の写真が揃っていると、最大25点が加算される仕組みとされています。
さらに、その他の項目を含めた総合点が43点以上になると、最上位のランクとして検索結果で上位に表示されやすくなり、閲覧数や反響数が大幅に向上するとされています。
反対に、34点未満の場合は検索順位が下がる傾向にあります。
こうした仕組みを踏まえると、オーナー様としては物件を掲載する前と掲載した後の両方のタイミングで情報の精度をチェックすることが大切です。
掲載前には、評価基準に影響を与える情報が過不足なくそろっているかを確認します。不足があれば仲介会社と連携して必要な情報を補い、改善しましょう。
また、掲載後は、検索ヒット数、閲覧数、反響数といった指標を仲介会社と一緒にチェックしましょう。
そして、想定より反響が得られていない場合は、どの段階で離脱が発生しているかを分析し、キャッチコピーや画像の内容などを見直すことが求められます。
不動産ポータルサイトの情報の精度を高めるためのコツ
不動産ポータルサイトの評価スコアを左右する情報は、「キャッチコピー・物件画像・間取り図・基本情報」でした。それぞれの精度を高めるためのコツについてもご紹介します。
【キャッチコピー】
キャッチコピーは、一覧に並んだ多数の物件の中から「クリックされるか否か」を左右する重要な要素です。
キャッチコピーがある物件は、ない物件と比べて反響数が約2倍というデータもあります。
掲載欄には字数の制限があるため、以下のような短いキーワードを組み合わせて物件の強みを具体的に訴求することがポイントです。
・立地:駅近、南向き、公園そばなど
・設備:オートロック、追い焚き、ネット無料、宅配BOX など
・建物の状態:新築、リノベ済み、築浅 など
・初期費用の軽減:敷金礼金ゼロ、フリーレントあり など
曖昧な表現よりも、「【駅徒歩3分】新築1LDK」や「南向き×ネット無料×宅配BOX完備」のように具体的な情報を盛り込むと、訴求力が高まります。
【物件画像】
物件画像は「内見前の最大の判断材料」となるため、質と点数の両面で精度を高めることが重要です。
リビング、水回り、収納など、各スペースの画像を過不足なくそろえたうえで、明るく広く、清潔に見える工夫が欠かせません。撮影時は以下のポイントを意識しましょう。
・清掃をした後で撮影する
・自然光が入る時間帯を選ぶ
・室内の電気をすべて点灯して撮影する
・広角レンズで空間の奥行きを見せる
【間取り図】
複数の部屋を備えたファミリー向け物件では、間取り図の視認性が重要です。
たとえば以下のようなポイントを押さえることで、見やすく、暮らしのイメージが湧きやすい間取り図になります。
・「東西南北」の方位マークがはっきり表示されていること
・白や淡い色を基調にした背景で、全体が明るく清潔に見えること
・文字や線が適度な太さでくっきりと表示され、スマホでも読みやすいこと
さらに、「洋室6帖」「LDK12帖」など、各部屋の帖数が記載されていると、広さの比較がしやすく親切です。
家具アイコン(ベッド・ソファ・テーブルなど)を適度に配置することで、入居後の生活動線がより具体的にイメージしやすくなるメリットもあります。ただし、アイコンを盛り込みすぎると見づらくなります。

【基本情報】
利用可能な駅、設備、周辺環境といった基本情報は、細かすぎず・足りなさすぎずのバランスを意識しながら、入居希望者が気にするポイントを丁寧に伝えることが大切です。
たとえば、徒歩圏内に複数の駅が存在する場合は、最寄り駅だけでなく利用可能な駅をすべて登録するのがおすすめで、特にターミナル駅の追加が有効です。
登録された駅が多いほど、検索結果に表示される回数が増える傾向があり、契約のチャンスが広がります。
設備は、エアコンやバス・トイレ別といった基本設備に加え、入居者に人気の設備を網羅しましょう。
たとえば最近、人気のモニター付きインターホン、Wi-Fi無料、宅配BOXなどは、基本情報として記載するだけでなく、キャッチコピーや画像でも積極的にアピールするのが効果的です。
周辺環境は、コンビニ・スーパー・病院・学校・公園など、日常生活に直結する施設を中心にまとめると、生活がイメージしやすくなります。
さらに、最近オープンした店舗や施設など、新しい情報も交えて紹介することで、物件の魅力がアップします。
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