一人暮らしを始める学生のお部屋探しの実態調査
株式会社CHINTAIは直近1~2年間で一人暮らしを始めた大学や短大、専門学生の子どもがいる保護者を対象に実施した、部屋選びや情報収集に関するアンケート調査の結果を発表しました。 アンケートをもとに、学生の物件探しにおける傾向の分析から、空室対策へとつなげるヒントを考えていきます。
▼学生の物件探しは保護者主体
アンケート結果では、物件情報の収集は6割が保護者主導で行われ、その情報を子供にみてもらうケースが多いことが分かりました。
なかには情報収集のすべてを保護者が行うケースも2割近くあり、学生のお部屋探しにおいては実に8割近くは、保護者が情報収集の主導権を握っていることが判明しています。
これは、ほとんどの場合家賃を支払うのが保護者であることや、子どもに比べて一人暮らしの経験や物件探しの経験が豊富であることからも、うなずける内容となっています。
▼学生が入居する物件に求められる条件
学生が入居する物件において求められるポイントを、物件そのものと周辺環境の2点で紹介します。
物件そのものに最も求められるものは家賃が87.5%で第一位、そして物件から学校までの時間が81.8%で第二位となっています。物件から学校までの時間が重視されるのは、自宅から遠いと遅刻しやすい、通うのがおっくうになるなど、学業に悪影響を及ぼすリスクが高いことが懸念されているからだと考えられます。 周辺環境においては、スーパーやコンビニから近いかが74.5%で圧倒的に重視されています。買い物のしやすさは生活のしやすさと直結するため、物件探しで非常に重視されていることが分かります。続いて、夜間の人通りの多さ、明るさが33.3%でした。都会であっても裏路地などは街灯や人通りが少ないことがあるため、最低限のセキュリティとしてポイントに挙げられていると考えられます。
物件の情報収集方法 | 割合 |
すべて保護者が担当 | 16.3% |
主に保護者が収集して子どもに見てもらう | 60.3% |
主に子どもが収集して親に見てもらう | 21.8% |
すべて子どもが担当 | 1.3% |
物件選びで重視されるポイント (複数回答可) | |
家賃 | 87.5% |
物件から学校までの時間 | 81.8% |
物件の周辺環境で重視されるポイント(複数回答可) | |
スーパーやコンビニが近いか | 74.5% |
夜間の人通りの多さ、明るさ | 33.3% |

あわせて読みたい
-
空室対策
反響を増やす!オーナーが知るべきポータル掲載術とは?
不動産ポータルサイトで反響を増やすための3つの数値 多くのオーナー様は物件の掲載を仲介会社に任せていると思います。 しかし、オーナー様ご自身がポータルサイトの仕組みを理解しておくこと..
-
相続
AIによる相続税調査の導入(2025年夏~)調査拡大の懸念
国税庁は2025年夏から、相続税の税務調査に人工知能(AI)を本格導入すると発表しました。今回、気になるその内容について取り上げます。 ▼相続税調査にAIを本格導入 2025年夏から、国税庁は..
-
相続
遺言書にまつわる注意点やトラブル ④遺言書を絶対に作るべき人・その1
▼遺言書を絶対に作るべき人 遺言書を絶対に作るべき人“その1”は、子供がいない人です。 配偶者は必ず法定相続人になりますが、子供がいれば子供と配偶者が法定相続人となります。子供が既に死亡してい..
-
賃貸物件で導入進むスマートロック メリット・デメリット
近年、スマートフォンなどを用いて自宅の玄関ドアを開錠できるスマートロックに注目が集まっていますが、先日、木下の賃貸(東京都)が約2.5万戸、三福管理センター(愛媛県)が約1万戸に対してビット..
-
設備関連
LPガスの商慣行、無償貸与に罰則!注目点は?
56%のガス事業者が集合住宅の設備費を負担経験ありと回答 賃貸物件におけるLPガス(プロパンガス)の料金の請求については、長年にわたり入居者に不利益をもたらす商慣行があると、国や有識者などから..
-
事業承継税制 後継者要件の一部緩和 依然として早めの相談が重要です
事業承継税制とは ▽事業承継税制の概要 事業承継税制とは、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の認定を受けた法人や個人事業主の事業承継を税制から支援する制度です。法人の場..
-
改正
建築基準法の主な改正ポイント
脱炭素社会の実現に向け、2025年4月から建築基準法が改正されました。これにより、建物の構造や仕様における基準が変更されました。 改正建築基準法では建築分野での省エネ化の加速と木材利用の促進..
-
相続
遺言書にまつわる注意点やトラブル ③自筆証書遺言補完制度
自筆証書遺言書保管制度 「自筆証書遺言書保管制度」は、普通の人が独力で遺言書を作る前提で制度設計されたもので、法務局が公式サイトで懇切丁寧にやり方を説明してくれています。そのため、最初に作る遺..
-
空室対策
外国人入居者の受け入れ メリットとその注意点
賃貸物件を経営するにあたって避けたいのは空室リスクです。少子高齢化の影響で日本人は既に減少傾向にある中、都市部以外では特に空室リスクが高くなっています。 一方で日本に滞在する外国人の留..
-
設備関連
共同住宅の消火器について
賃貸マンションやアパートなどの集合住宅は消防法の区分けで「防火対象物」に分類されています。 消防法および消防法施行令は、「共用部分に業務用消火器を設置しなければならない」と定めており、防火や..
-
設備関連
賃貸物件デジタルツールの実態調査
情報通信技術市場の調査を行うMM総研が、賃貸アパート・マンションを一棟単位で所有する全国のオーナーを対象に行った「集合住宅のデジタルツール導入実態調査」の結果が発表されました。 調査によると..
-
相続
賃貸オーナーが、家族信託を検討すべき理由とは?
オーナーが認知症になった場合、賃貸経営はどうなる? 「もし自分が将来、認知症になってしまったら…賃貸経営を続けられるのだろうか?」 そんな不安を感じているオーナー様も、いらっしゃるのでは..
-
相続
賃貸物件を活用した相続対策のポイントは?
賃貸物件は相続を意識して取得・所有することが重要です 相続税とは、不動産や金融資産などの相続資産から非課税分(または控除分)を差し引いた金額をもとに計算されます。 資産を現金や預金で持..
-
遺言書にまつわる注意点やトラブル ②
自筆証書遺言・公正証書遺言 遺言書の有効性と注意点に続いて遺言書に関する注意点をお伝えいたします。 ▼遺言書作成の注意点 遺言書を作ると決めて最初にやるべきことは、「法務省 自筆証書遺言書..
-
2025年度税制改正 iDeCo(個人型確定拠出年金)の改正点
iDeCo(イデコ)の概要 iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金の愛称です。自身が拠出する掛け金を、好きな金融資産で運用し、老後の資産を形成する制度になります。 運用益が非課税である点はNISA..
-
空室対策
収益力が下がり続ける築古物件の3つの出口とは?
◆築50年超の“貸せない・埋まらない”物件があふれ出す 賃貸経営において、「築年数の古い物件をどう扱うか」は、避けては通れない課題です。 とくに築50年前後の物件は、設備の老朽化や入居者の減少、修..
-
相続
遺言書の確認をしておきましょう
被相続人が「遺言書」を残しているかどうかの確認をしておくことで、遺産分割相続をスムーズに行うことができます。 遺言書には3種類あります。 遺言書がある場合、遺言者の亡くなった日に最も近い日..
-
相続
遺言書にまつわる注意点やトラブル①
遺言書の有効性と注意点 結論から言うと、財産がある人もない人も、遺言書を作成しておくべきです。 なぜなら、遺言書がないと、残された相続人が遺産分割をしなければならないからです。今回、遺..
-
空室対策
2025年繁忙期の振り返り
2025年も入退去が盛んになる繁忙期が終わりました。今年の繁忙期がどうだったかの振り返りを行い、今後についても考察していきます。 ▼成約賃料の上昇傾向 近年、分譲マンション価格の高騰などを背..
-
税金
2025年度税制改正 子育て世帯向け税制改正のポイント
▼住宅ローン控除 子育て世帯等の上乗せの延長 令和7年中に新しい住宅に入居する子育て世帯等を対象に、住宅ローン控除の計算対象となるローン限度額の上乗せ措置が、1年延長されます。住宅ローン控..